渡辺裕相続税理士事務所

相続税申告

税理士事務所

こんなお悩みはありませんか?

相続税がかかるかどうか、そもそも分からない、、、

相続税の申告は、何から手をつければいいの、、、

相続税の節税は、具体的に何ができるの、、、

相続税の申告は自分で出来るの、、、

遺産分割がまとまらずに申告期限が迫っている、、、

親の財産を把握しきれておらず、税務調査で申告漏れを指摘されないか不安、、、

相続税がかかる場合

相続税がかかるかどうかは、相続する財産の総額と法定相続人の人数などにより異なります。相続財産の総額が基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合に相続税が発生しますが、不動産や株式の評価、債務控除によって実際の課税額が変わるため、計算には注意が必要です。

相続税申告の手順

相続税の申告は、まず「相続財産の把握」から始めます。預金、不動産、株式、保険など、被相続人が持っていたすべての財産を確認し、評価することが第一歩です。次に、相続人を確定し、誰が何をどれだけ相続するかを決めます。その後、必要な書類をそろえて申告書を作成し、税務署に提出します。

相続税の節税方法

相続税の節税には、さまざまな方法があります。例えば、生前贈与を活用して財産を少しずつ移転したり、不動産を活用して評価額を抑える手法などがあります。さらに、小規模宅地等の特例や生命保険の非課税枠の利用して課税対象を減らすことや、法人を活用した資産承継も有効な節税対策です。

自分で申告する場合

相続税の申告はご自身で行うことも可能です。ただし、財産の評価や特例の適用には専門的な知識が求められ、判断を誤ると税額に大きな差が出ることもあります。また、必要書類も多く作成には相当な時間と労力がかかります。手続きを誤ると、後から追徴課税となるケースもあるため注意が必要です。

分割がまとまらない場合

相続人同士で遺産分割がまとまらない場合でも、相続税の申告期限(相続開始から10か月以内)は延長されません。このような場合は、いったん法定相続分に基づいて申告と納税を行います。後日分割が確定した段階で「更正の請求」や「修正申告」を行うことで、特例の適用や税額の調整が可能です。

相続財産の把握

相続税の申告では、被相続人の全ての財産を正確に把握することが求められますが、通帳、保険、不動産など、全てを把握するのは容易ではありません。万が一、申告漏れがあると税務調査で指摘され追徴課税を受けるリスクがあるので、過去の確定申告書や通帳の入出金履歴を確認することが有効です。

税理士 渡辺裕

プロフィール

四條畷高等学校 卒業
同志社大学商学部 卒業
同志社大学大学院 修了

資格

税理士
行政書士
認定経営革新等支援機関
宅地建物取引士
運行管理者

理念(ビジョン)

相続は、被相続人の人生の集大成を数字で確定させる大切な作業です。これまでの歩みの中で築かれた資産を、正しく集計し、未来へとつなげていく意義ある仕事だと私たちは考えています。

当事務所では、相続財産が比較的シンプルなお客様には、無駄を省き効率的に進めることで、納得のいく価格でサービスを提供いたします。

そのために、書面でのやりとりに時間をかけず、デジタルツールを活用してスムーズに完結できる体制を整えています。

一方で、デジタルでの対応に不安を感じられる方には、対面や電話でじっくりとお話を伺い、より丁寧で慎重な申告作業を行います。

お客様一人ひとりに合った最適な方法でサポートすることが私たちの使命です。

被相続人の人生を数字を通じて確定させる重みを胸に刻み、正確かつ誠実な仕事を通じてお客様のお役に立つことが、私たちの理念です。

よくある質問

相続の手続きを全部まとめてお願いすることは可能?

生前贈与を活用して相続税を軽減したいが、どんな方法があるの?

生命保険を利用すると相続税の節税になるの?

相続税の納税資金が足りない場合にはどうしたらいいの?

2次相続まで考えないと相続税は高くなるの?

相続税を払った後に修正申告や更正の請求ができるの?

相続の総合サポート

当事務所では、税理士・行政書士・宅地建物取引士としての専門性を活かし、相続に関わる各種手続きを総合的にサポートしております。具体的には、相続税の申告、遺産分割協議書の作成支援、不動産売却の仲介、不動産の名義変更(司法書士と連携)、株式等の相続手続きなど幅広い対応が可能です。

生前贈与の活用

生前贈与は、相続税対策として有効な手段の一つです。例えば、「暦年贈与」を利用すれば、毎年110万円まで非課税で贈与できます。また、「相続時精算課税制度」を利用すれば、相続時に相続財産に加算されますが、2,500万円までが非課税となるので、財産の値上がりが見込まれる場合に有効です。

生命保険で節税

被相続人が加入していた生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。例えば、法定相続人が3人いる場合、1,500万円までの死亡保険金は相続税の課税対象になりません。この非課税枠を活用すれば、現金での納税資金を確保しながら、相続税の負担を軽減することが可能です。

納税資金不足の場合

相続税の納税資金が不足している場合でも、いくつかの対策があります。まず、延納制度を利用すれば、一定の条件のもと年賦で分割納付することが可能です。次に、不動産などを売却して現金化する方法もあります。さらに、生前から納税資金を確保しておくために、生命保険の活用なども有効です。

二次相続も考慮した対策

一次相続だけでなく、二次相続まで見据えた対策を行わないと、結果的に相続税の負担が大きくなることがあります。一次相続では配偶者の税額軽減が適用されるため税額が抑えられますが、配偶者が亡くなった際の二次相続ではその特例が使えず、高額な相続税が発生してしまうケースもあります。

修正申告と更正の請求

相続税の納付後でも、申告内容に誤りがあった場合には修正申告や更正の請求が可能です。申告漏れや財産評価の誤り等で税額が不足していた場合は「修正申告」を行い不足分の税金を納付します。一方、税額を多く納め過ぎていた場合は「更正の請求」をすることで還付を受けられる可能性があります。

相続税申告のフローチャート

相続開始(被相続人の死亡)

死亡届の提出(7日以内)

遺言書の有無の確認

相続人の確定(戸籍調査など)

相続遺産の調査・把握

(預貯金、不動産、有価証券など)

債務・葬儀費用などの調査

単純承認・限定承認・相続放棄の判断

(3ヶ月以内)

遺産分割協議書の作成

財産評価(路線価・倍率方式など)

10

基礎控除額の計算と課税対象の判断

11

相続税の申告書作成・添付書類準備

12

相続税の申告・納付(10ヶ月以内)

13

税務調査対応(必要に応じて)

遺言書の有無の確認

相続発生時は、まず遺言書の有無を確認することが重要です。遺言書の内容は遺産の分け方や相続手続きに大きく影響します。公正証書遺言の有無は公証役場で確認でき、自筆証書遺言がある場合は家庭裁判所での検認が必要です。遺言書があれば、相続人同士の無用なトラブルを避けることができます。

相続人の確定

相続人の確定は、相続手続きの出発点であり、遺産分割や相続税申告の前提となる重要な作業です。被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を漏れなく確認する必要があります。相続人が確定していないと、遺産分割協議が無効になる可能性もあるため、正確な戸籍調査が不可欠です。

相続財産の調査・把握

相続税申告においては、全ての相続財産を正確に把握することが重要です。預貯金や不動産だけでなく、株式、生命保険、貸付金、未登記の土地、名義預金なども対象となります。財産を把握しきれず申告漏れがあると税務調査の対象となる可能性があるため、資料収集と丁寧な確認作業が欠かせません。

債務・葬儀費用

相続税の申告では、被相続人の債務や葬儀費用は控除対象となります。借入金や未払医療費、未納の税金等は債務として差し引くことができます。葬儀費用も通夜・火葬・埋葬等の実費が対象です。ただし香典返しや法要費用は含まれません。適切に控除するためには領収書や契約書等の保存が重要です。

遺産分割協議書の作成

相続人が複数いる場合、遺産の分け方を話し合って決める必要があります。その内容を文書化したものが遺産分割協議書です。相続税申告時に添付が必要で、不動産の名義変更や銀行口座の解約手続きでも必要となります。協議書には相続人全員の署名・実印の押印が必要で、印鑑証明書も添付します。

相続税の申告・納付

相続税の申告・納付は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。申告書は被相続人の住所地を管轄する税務署に提出し、納付も同じ期限内に現金一括納付が原則です。相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は申告が必要となり、相続人全員が連帯して納税義務を負います。

相続財産の評価方法

相続財産の評価は、相続税法に基づき相続開始時点の時価で行います。現金や預貯金は額面通りですが、土地は路線価または倍率方式、建物は固定資産税評価額で評価されます。上場株式は相続開始日の終値又はその月、その前月、その前々月の日ごとの終値の平均値のうち最も低い価額を選択できます。

相続税の計算方法

相続税は、相続財産の総額から葬儀費用、債務等を差し引き、さらに基礎控除を控除した課税遺産総額に対して、法定相続分に応じた税率を適用して相続税の総額を計算します。算出された課税遺産総額を各相続人に按分し、按分された税額に対して控除額などを差し引いて各人の納付税額が決まります。

課税遺産総額

課税遺産総額とは、相続税の課税対象となる財産の金額です。相続財産の総額から非課税財産、葬式費用、債務を差し引きます。そこから相続開始前の加算の対象となる暦年課税にかかる贈与財産を加えた後、基礎控除額を差し引いて算出します。課税遺産総額が0円以下であれば相続税は発生しません。

相続税の基礎控除

相続税の基礎控除とは、課税遺産総額を算出する際に、正味の遺産額から差し引ける控除額のことで「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。例えば、法定相続人が3人なら4,800万円となります。正味の遺産額が基礎控除額以下であれば、相続税はかからず、相続税の申告も不要です。

相続税の税率

相続税の税率は累進課税制度が適用されます。課税遺産総額を法定相続分に応じて按分し、その按分された金額に応じて10%から55%までの8段階の税率が適用されます。1,000万円以下は10%、3,000万円以下は15%、5,000万円以下は20%というように、取得金額が大きくなるほど税率も高くなります。

法廷相続人と法廷相続分

法定相続人とは、民法により定められた相続の権利を持つ人のことです。配偶者は常に相続人となり、これに加えて子、父母等の直系尊属、兄弟姉妹の順に優先順位があります。法定相続分は、配偶者と子なら各1/2ずつ、配偶者と直系尊属なら2/3と1/3、配偶者と兄弟姉妹なら3/4と1/4に分けられます。

相続税の総額

相続税の総額とは、課税遺産総額を法定相続分で分割したと仮定して、各人ごとの税額を計算し、それらを合計して求めます。計算には税率や控除の適用が必要です。この段階では遺言や遺産分割により実際の取得割合が法定相続分と異なっていても、法定相続分を基準として算出する点がポイントです。

各人の納付税額

各人の納付税額とは、相続税の総額を各相続人が実際に取得した財産の割合に応じて按分し、配偶者控除等の税額控除を差引いて算出します。また、被相続人の一親等の血族以外が相続する場合は税額が2割加算されます。これらの控除や加算を適用した結果が、各相続人の最終的な納付税額となります。

2割加算

相続税の2割加算とは、被相続人の配偶者および一親等の血族(子・父母)以外の人が相続や遺贈により財産を取得した場合に、算出された相続税額に20%を加算する制度です。対象となるのは、兄弟姉妹、甥姪、孫(代襲相続を除く)、内縁の配偶者、友人などで、遺言による相続でも加算されます。

第1順位

法定相続人の第1順位は子です。被相続人に子がいる場合、配偶者と子が相続人となります。相続分は、配偶者が1/2を取得し、残りの1/2を子の人数で均等に按分します。例えば子が2人であれば、それぞれ1/4ずつを相続し、子が既に亡くなっている場合は、その子の直系卑属が代襲相続人となります。

第2順位

法定相続人の第2順位は父母等です。被相続人に子がいない場合、配偶者と父母が相続人となります。相続分は、配偶者が2/3を取得し、残りの1/3を父母等の人数で均等に按分します。両親が健在であれば、それぞれ1/6ずつを相続し、父母が既に亡くなっている場合には、祖父母等が相続人となります。

第3順位

法定相続人の第3順位は兄弟姉妹です。被相続人に子も父母もおらず兄弟姉妹がいる場合、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。相続分は、配偶者が3/4を取得し、残りの1/4を兄弟姉妹の人数で均等に按分します。例えば兄弟姉妹が2人いる場合であれば、それぞれの兄弟姉妹が1/8ずつを相続します。

子の代襲相続

第1順位の子が既に亡くなっている場合、その子の直系卑属(孫)が代襲相続人となります。配偶者がいる場合は相続分の1/2を取得し、残りの1/2を子と代襲相続人で均等に按分します。子が1人死亡し、孫が2人いる場合、孫2人でその子の相続分を等分します。孫が亡くなっていれば曾孫へと続きます。

父母等の代襲相続はなし

第2順位の父母等には代襲相続は適用されません。つまり、父母が既に亡くなっている場合でも、祖父母が相続人となるだけで代襲相続ではなく順位の繰り上げです。孫や曾孫のように下の世代に権利が引き継がれることはありません。父母等がいない場合には、第3順位の兄弟姉妹が相続人となります。

兄弟姉妹の代襲相続

兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、その子(甥や姪)が代襲相続人となります。配偶者がいる場合は、相続分の3/4を配偶者が取得し、残りの1/4を兄弟姉妹と代襲相続人で均等に按分します。ただし、甥姪が既に亡くなっている場合でも、代襲はさらに下の世代(兄弟姉妹の孫)には及びません。

相続税の2割加算

相続税の2割加算は、被相続人の配偶者や一親等の血族(子・父母)以外が相続や遺贈で財産を取得した場合に適用されます。兄弟姉妹や甥姪、内縁の配偶者、友人などが対象となり、計算された相続税額に20%を上乗せして納税をする必要があります。これは、相続税の公平性を保つための措置です。

孫が養子の場合

孫が養子として法定相続人になった場合でも、相続税の2割加算の対象となります。これは、直系卑属であっても「子」ではなく「孫」であるため、原則として加算の対象とされるからです。ただし、被相続人に実子がいない場合等、一定の事由に該当する時は、2割加算が適用されないことがあります。

代襲相続人の場合

代襲相続人として孫が相続人になる場合は、原則として2割加算の対象になりません。例えば、被相続人の子が既に亡くなっており、その子に代わって孫が相続するケースでは、孫は代襲相続人として子の立場を引き継ぐため、一親等の血族と同様に扱われ、2割加算が適用されない取り扱いとなります。

遺言の種類

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が全文、日付、氏名を自筆で書き、押印して作成する遺言書です。費用がかからず手軽に作成できる反面、形式不備による無効や紛失のリスクがあります。財産目録のパソコンでの作成や通帳のコピーを添付することが可能となり、また、法務局での保管制度も開始されました。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人が遺言者の意思を十分に確認し、公証役場で作成される公的な遺言書です。原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がなく、家庭裁判所での検認も不要です。自筆証書遺言に比べて費用はかかりますが、法的効力が高く、相続トラブルの予防にもつながります。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言者が自ら遺言書を作成し、封をした状態で公証人と証人に提出する遺言形式です。内容を秘密に保ちつつ、作成した事実を証明できます。検認は必要ですが、信頼性が高い点が特長です。ただし、内容に不備があっても公証人が確認できないため、無効となるリスクもあります。

相続税申告の注意点

相続放棄(3ヶ月以内)

相続放棄は、「被相続人が亡くなったことを知った日から原則3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申述する必要があります。この期間を過ぎると原則として相続を承認したものとみなされ、不動産や借金など全ての財産を引き継ぐことになります。負債が多いケースなどでは特に早めの判断と手続きが重要です。

申告期限(10ヶ月以内)

相続税の申告は、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」に行う必要があります。この期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税といったペナルティが発生することがあります。また、特例の適用にも期限内申告が求められるものが多いため、早めの準備と慎重な判断が重要です。

分割がまとまらない場合

遺産分割が相続税の申告期限(10ヶ月以内)までにまとまらない場合でも、法定相続分で申告と納税は期限内に行う必要があります。この際、配偶者控除や小規模宅地の特例等が適用できないこともあります。分割が後日まとまった場合には、更正の請求などで税金の一部を取り戻す手続きも可能です。

非課税でも申告が必要な場合

相続税がかからない場合でも、申告が必要となるケースがあります。例えば、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを適用して非課税になる場合は、これらの特例を使うために相続税の申告書の提出が必要です。申告をしていないと特例が認められず、本来不要な税金を課されるおそれもあります。

税額軽減特例の活用

相続税の申告では、配偶者の税額軽減(最大1億6,000万円まで非課税)や小規模宅地等の特例(最大80%まで評価減)といった特例制度があります。これらを適用すれば、相続税が大きく軽減される可能性があります。ただし、適用には一定の要件があり、期限内に申告書を提出する必要があります。

相続税の税務調査

相続税の申告にも税務調査が行われることがあります。特に、財産の金額が大きい場合や財産の内容が複雑な場合、申告内容に不明点や不自然な点がある場合には、調査の対象となりやすくなります。国税庁公表のデータによれば、申告件数の約20%から30%程度が税務調査の対象となっています。

相続税の税務調査で重点的に確認される項目

現金の引き出し

相続税の税務調査では、被相続人の生前に多額の現金が引き出されている場合、その使途が厳しく確認されます。使途不明のまま引き出されていた場合、名義預金や隠し財産とみなされ、課税対象になることがあります。通帳や領収書などに基づき調査されるため、引出記録や説明資料の準備が重要です。

名義預金

相続税の税務調査では、被相続人の名義でない預金(いわゆる名義預金)が重点的に確認されます。実質的に被相続人が管理・使用していた場合、たとえ子や配偶者名義でも相続財産とみなされ、申告漏れを指摘されることがあります。通帳の入出金履歴や印鑑の管理状況、資金の出所等が調査されます。

貸金庫の現金

相続税の税務調査では、被相続人が利用していた貸金庫の中身も確認対象となります。貸金庫に多額の現金や有価証券が保管されていた場合には、申告漏れが疑われることがあります。金融機関の利用履歴や開扉記録なども調査されるため、現金の出所や使途を説明できるよう備えておくことが重要です。

死亡直前の預金移動

相続税の税務調査において、被相続人の口座から死亡する直前に行われた預金移動、預金の引出し、振込について、使途や受取人が厳しく確認されます。特に家族名義への移動や現金化された資金が申告されていない場合には、贈与や名義預金とみなされ、相続税の追徴課税の対象となることもあります。

過去の贈与

相続税の税務調査では、相続開始前に行われた過去の贈与も厳しく確認されます。税務署から「贈与が成立していない」と指摘された場合には、客観的に立証するための資料として贈与契約書、贈与税申告書、通帳の記録、資金の出所記録などを提示し、有効な贈与であることを証明する必要があります。

土地の評価額

相続税の税務調査では、土地の評価額が重点的に確認されます。特に、路線価や倍率表による画一的な評価だけでなく、不整形地、がけ地、奥行長大、無道路地など、個別の土地の特性が適正に反映されているかが確認されます。税務署は、補正率や評価減が正しく考慮されているかを詳しく調査します。

土地の評価減制度で節税

奥行価格補正

奥行価格補正は、間口に比べて奥行が長すぎる、又は、短すぎる土地について、奥行の長さに応じて評価額を調整する制度です。このような土地は、通常の整形地と比べて使い勝手が悪いため、補正率を適用して路線価を減額できます。適用には、実際の奥行距離と標準奥行との比率が基準となります。

間口狭小補正

間口狭小補正は、道路に面する間口が狭い土地に適用され、節税につながる評価減制度です。間口が狭いと建築や駐車場設置が困難になり、土地の利用価値が下がるため、補正率を適用して評価額を減額します。補正率は間口の幅と奥行きの比率により決定され、間口が狭いほど減額幅が大きくなります。

がけ地(傾斜地)補正

がけ地補正は、敷地の一部または全体に高低差があり、擁壁の設置や建築制限がある土地に適用される評価減制度です。がけ地は、通常の宅地に比べて利用価値が低いため、補正率を用いて路線価を減額することで相続税の節税につながります。適用には現地の状況確認や測量図、役所調査等が必要です。

無道路地補正

無道路地補正は、建築基準法上の道路に接していない土地に適用される制度です。無道路地は建物の建築が制限され、通常の宅地と比べて利用価値が低くなります。適正な補正率を用いることで、土地の評価額を下げ、相続税の節税につながります。補正率は、周辺状況や進入路の有無により異なります。

不整形地補正

相続税の申告では、不整形地の評価は節税の大きなポイントとなります。不整形地補正は、土地の形状が正方形や長方形でない場合に適用される評価減制度です。三角形、台形、くの字型など使い勝手の悪い土地は整形地に比べて利用価値が低いため、最大約40%の補正率を乗じて評価額を減額します。

地積規模の大きな宅地

地積規模の大きな宅地は、三大都市圏では500㎡以上、その他の地域では1,000㎡以上の住宅地が対象です。この宅地は、標準的な宅地と比較して開発上の制約があるため評価減が認められる場合があります。評価減の割合は、面積、形状、周辺環境等によって決まり、最大で約20%の減額が可能です。

相続税の控除

配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減とは、配偶者が取得する相続財産について、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い額まで相続税がかからない制度です。適用には相続税申告が必要で、申告しなければ軽減を受けられません。配偶者の生活保障を目的とした制度で、大きな節税効果が期待できます。

未成年者の税額控除

未成年者の税額控除とは、相続や遺贈で財産を取得した相続人が18歳未満の場合に、相続税額から一定額を控除できる制度です。控除額は「10万円×(18歳-相続開始時の年齢)」で計算され、例えば11歳の相続人なら70万円が控除されます。控除しきれない額は扶養義務者の税額から控除できます。

障害者の税額控除

障害者の税額控除とは、相続や遺贈で財産を取得した相続人が障害者の場合に、相続税額から一定額を控除できる制度です。控除額は「10万円×(85歳-相続開始時の年齢)」で計算されます。また、特別障害者の場合は20万円が乗じられます。控除しきれない額は扶養義務者の税額から控除できます。

贈与税額控除

贈与税額控除とは、相続開始前3年(7年)以内に被相続人から贈与を受けていた場合に、既に支払った贈与税額を相続税額から差し引ける制度です。これは、同じ財産に相続税と贈与税が二重に課税されることを防ぐための調整措置で、控除額が相続税額を超えたとしても還付されることはありません。

相次相続控除

相次相続控除とは、10年以内に相続が連続して発生した場合に、2回目の相続で前回支払った相続税の一部を控除できる制度です。例えば、父から子への相続の後、短期間でその子が亡くなった場合などが該当します。控除額は、前回納付した相続税額を基に、経過年数に応じて段階的に減額されます。

外国税額控除

外国税額控除とは、海外にある相続財産について外国で相続税等が課税された場合に、二重課税を防ぐために日本の相続税額から一定額を控除する制度です。納税者の負担を軽減することを目的としており、この規定の適用を受けるには国外財産に対して課税されたことを証明する資料の提出が必要です。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、被相続人が居住や事業に使用していた宅地について、一定の条件を満たすと相続税評価額を減額できる制度です。特定居住用、事業用、同族会社事業用、貸付事業用など用途別に上限面積と減額率が定められています。宅地の種類ごとに居住継続や事業継続等の要件があります。

特定居住用宅地等

特定居住用宅地等の特例とは、被相続人が居住していた宅地を相続した場合に、330㎡までの部分について評価額を80%減額できる制度です。配偶者が取得する場合には無条件で適用されますが、同居親族が取得する場合には、相続開始から申告期限まで継続して居住し、所有していることが必要です。

特定事業用宅地等

特定事業用宅地等の特例とは、被相続人が事業に使用していた宅地を相続した場合に、400㎡までの部分について評価額を80%減額できる制度です。適用要件は、相続人が被相続人の事業を相続開始前から営んでいた場合、又は相続により事業を承継し、申告期限まで継続して事業を営んでいることです。

特定同族会社事業用宅地

特定同族会社事業用宅地等の特例とは、被相続人が同族会社に貸していた事業用宅地を相続した場合に、400㎡までの部分について評価額を80%減額できる制度です。被相続人と相続人がその会社の役員であり、相続人が申告期限まで役員を継続し、宅地をその事業に使用し続けることが要件となります。

貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等の特例とは、被相続人が不動産貸付業に使用していた宅地を相続した場合に、200㎡までの部分について評価額を50%減額できる制度です。相続開始前3年以内に新たに貸付事業を開始した場合は対象外で、相続人が申告期限まで継続して貸付事業を営んでいることが要件となります。

複数の宅地がある場合

小規模宅地等の特例は、要件を満たす宅地が複数ある場合でも、適用できる宅地の種類ごとに限度面積が設けられています。例えば、特定居住用宅地と特定事業用宅地を組み合わせて適用する場合は、合計で最大730㎡が上限です。どの宅地を適用するかで節税効果が大きく変わるため、選択が重要です。

家なき子特例

家なき子特例とは、被相続人と同居していなかった親族であっても、一定の条件を満たせば特定居住用宅地等の小規模宅地等の特例(330㎡まで80%減額)の適用を受けられる制度です。相続人が過去に自宅を所有したことがなく、相続開始前3年以上賃貸住宅等に住んでいたことなどが要件となります。

老人ホームにいた場合

被相続人が生前に老人ホームへ入居していた場合でも、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例(330㎡まで80%減額)が適用されることがあります。適用には、入居前までその宅地に居住していたことや、入居後も空き家として維持・管理されていたことなど、一定の要件を満たす必要があります。

特例適用に必要な書類

小規模宅地等の特例の適用を受けるには、相続税の申告書に加えて、被相続人の戸籍謄本、相続人全員の住民票、印鑑証明書、遺産分割協議書、特例対象となる宅地の登記事項証明書や固定資産税評価証明書、介護認定書などが必要です。特例の種類によって必要書類は異なるため、事前確認が重要です。

配偶者の税額軽減

制度の概要

配偶者の税額軽減とは、配偶者が相続により取得した財産について、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税が非課税となる制度です。この特例により配偶者の相続税負担は大幅に軽減されますが、適用には相続税の申告書を期限内に提出することなどが必要です。

適用されない場合

配偶者の税額軽減は、相続税の申告書を提出しない場合、申告期限を過ぎた場合、戸籍上の配偶者でない場合、仮装・隠蔽で財産を取得した場合には適用されません。遺産分割が未了の場合は「3年以内分割見込書」を提出すれば後日適用可能ですが、3年経過後も分割が確定しなければ適用できません。

2次相続への影響

配偶者の税額軽減を最大限活用すれば、1次相続では相続税が軽減されますが、2次相続で税負担が重くなる可能性があります。2次相続では配偶者控除が使えず、基礎控除額も少なくなります。そのため、1次相続と2次相続の合計税額を試算して、総合的に有利な遺産分割を検討することが重要です。

相続の申告に必要な書類

戸籍謄本(出生から死亡までの全て)

除票または住民票の除票(最終の住所を確認)

遺言書(ある場合)

相続人全員の戸籍謄本

相続人全員の住民票

相続人全員のマイナンバーがわかる書類(通知カード・個人番号カードなど)

印鑑登録証明書(遺産分割協議書に押印する場合)

預金通帳のコピー(過去数年分が必要なことも)

証券会社の残高証明書

不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書

自動車の車検証・査定書

生命保険の支払証明書

被相続人の確定申告書控え(必要に応じて)

借入金の残高証明書

未払い医療費の明細

クレジットカード明細など債務に関する資料

葬儀費用の領収書(通夜・告別式・火葬など)

遺産分割協議書(相続人全員の署名押印が必要)

相続申告書(税理士が作成)

納税方法に関する書類(延納・物納の場合)

相続税の概算早見表

遺産総額(相続財産) 法定相続人が配偶者と子の場合
配偶者と子1人 配偶者と子2人 配偶者と子3人
4千万円0円0円0円
5千万円40万円10万円0円
6千万円90万円60万円30万円
7千万円160万円113万円80万円
8千万円235万円175万円138万円
9千万円310万円240万円200万円
1億円385万円315万円263万円
1.5億円920万円748万円665万円
2億円1,670万円1,350万円1,218万円
2.5億円2,460万円1,985万円1,800万円
3億円3,460万円2,860万円2,540万円
5億円7,605万円6,555万円5,963万円
10億円1億9,750万円1億7,810万円1億6,635万円
遺産総額(相続財産) 法定相続人が子のみ※の場合(配偶者なし)
1人 2人 3人
3千万0円0円0円
4千万円40万円0万円0円
5千万円160万円80万円20万円
6千万円310万円180万円120万円
7千万円480万円320万円220万円
8千万円680万円470万円330万円
9千万円920万円620万円480万円
1億円1,220万円770万円630万円
1.5億円2,860万円1,840万円1,440万円
2億円4,860万円3,340万円2,460万円
2.5億円6,930万円4,920万円3,960万円
3億円9,180万円6,920万円5,460万円
5億円1億9,000万円1億5,210万円1億2,980万円
10億円4億5,820万円3億9,500万円3億5,000万円

※父母のみ・兄弟姉妹の場合も同様

選ばれる理由

初回相談無料

最初の電話での相談は1時間まで無料です。相続税の申告が初めての経験の方にも安心をいただけるよう、被相続人の財産の額や相続人の人数等ついて丁寧に聞かせて頂きます。最初の電話の段階では、遺言書や遺産分割協議等の書類を用意して頂く必要はありませんので、お気軽にご連絡をください。

全国対応

当事務所ではクラウド化・デジタル化を徹底しており、全国の相続税の申告に対応が可能です。実際に北海道から九州まで数多くの税務申告をしています。通常のやりとりも、電話、メール、チャットワーク、ズーム等で対応しており、電子申告から電子納税までウェブで完結する体制を整えております。

他士業との連携

当事務所では、税理士、行政書士、宅地建物取引士としての業務を提供しており、税務申告だけでなく、不動産の売却ついてのアドバイスもさせて頂いております。また、弁護士、司法書士、不動産鑑定士、社会保険労務士等の士業とも提携しており、事務的な問題の大部分を解決することが可能です。

不動産に強い

不動産の相続税評価では、適切な方法を用いることで大幅な節税が可能です。不整形地や間口の狭い土地には減額補正が適用され、貸家建付地や貸宅地は利用制限により評価額が下がります。小規模宅地等の特例を活用すれば、居住用・事業用宅地ともに最大80%の評価減が認められることがあります。

試算運用サポート

相続税の申告が落ち着くと、資金的に余裕が出てくるタイミングがあります。当事務所では、認定経営革新等支援機関として、資産運用のアドバイスも行っております。長生きを想定して、お金にも働いてもらう仕組みづくりをしておくことで、それぞれの相続人が安心して生活をおくることが出来ます。

税務調査に強い

相続税の申告にも税務調査が行われることがあります。特に、財産の金額が大きい場合や財産の内容が複雑な場合、申告内容に不明点や不自然な点がある場合には、調査の対象となりやすくなります。国税庁公表のデータによれば、申告件数の約20%から30%程度が税務調査の対象となっています。

贈与税のよくある質問

贈与税はどんな場合にかかるの?

贈与税の申告は自分でできる?

贈与税の申告をしないとどうなるの?

贈与契約書は作成した方がいい?

子どもの銀行口座にお金を入れただけでも贈与になるの?

贈与税がかからない財産にはどのようなものがあるの?

海外に住んでいる子に贈与する場合も贈与税はかかりますか?

家族観の金銭の貸し借りは贈与になるの?

親に支払ってもらった医療費や生活費は贈与になりますか?

贈与税がかかる場合

贈与税は、個人から財産を無償で取得した場合に課税される税金です。現金や預貯金はもちろん、不動産、株式、貴金属、美術品など有形・無形を問わず全ての財産が対象となります。1年間にもらった財産の合計が基礎控除額(年間110万円)を超えると、その超過部分に対して贈与税が課税されます。

自分で申告する場合

贈与税の申告はご自身で行うことも可能です。国税庁のHPから申告書をダウンロードし、必要事項を記入して税務署に提出します。贈与税には基礎控除だけでなく、住宅取得等資金贈与の特例、教育資金の一括贈与など、様々な非課税制度や特例があり、それぞれに適用要件や添付書類が求められます。

贈与税を申告しない場合

贈与税の申告義務があるにも関わらず申告をしない場合には、税務署から指摘を受けて追徴課税となる可能性があります。期限後申告となった場合は無申告加算税(15%から30%)と延滞税が課され、悪質と判断されれば、重加算税(35%から50%)が課されたり、刑事罰の対象となる場合もあります。

贈与契約書

贈与は法的には口約束でも成立しますが、税務調査では贈与の事実や時期の立証が重要となります。それらを証明をする書面がない場合には、贈与として認められないことがあるため、贈与日、贈与者・受贈者、贈与財産、贈与の意思表示を明記し、双方が署名押印をした贈与契約書を作成するべきです。

子どもの口座に入金

親が子どもの銀行口座にお金を入れただけでは、それだけで贈与と認められるとは限りません。贈与とは「贈与者のあげる意思」と「受贈者のもらう意思」が一致して初めて成立します。子どもが贈与の事実を認識しておらず、親が通帳や印鑑を管理している場合は、贈与が否認される可能性があります。

贈与税がかからない財産

贈与税はすべての財産に課税されるわけではありません。社会通念上適当と認められるものは非課税となります。例えば、扶養義務者から生活費や教育費として、その都度必要な範囲で直接渡される資金は非課税です。なお、これらの資金を預金や資産購入に充てた場合は課税対象となることがあります。

海外在住親族への贈与

海外に住む子への贈与でも贈与税がかかる場合があります。贈与税の課税関係は、贈与者と受贈者の住所地や国籍、財産の所在地により複雑に決まります。日本に住所がある人が海外財産を贈与する場合や、海外に住む日本国籍者への贈与など、多くのケースで日本の贈与税が課税されることがあります。

家族観の金銭の貸借

家族間であっても、金銭の貸し借りが形式的で実際には返済の意思や計画がない場合、贈与とみなされる可能性があります。贈与税の課税対象とならないためには、利息や返済期限を定めた借用書の作成、実際に返済が行われていることを証明できる記録など客観的にも貸付と認められる実態が必要です。

生活費の贈与

親が子どもの医療費や生活費等を支払った場合には、原則として贈与税はかかりません。 これは、民法上の扶養義務に基づいて「必要な都度、直接これらの費用に充てられたもの」として非課税とされているためです。ただし、貯蓄や投資に回されるような支払いは贈与とみなされる可能性があります。

贈与税申告のフローチャート

贈与の発生

年間の贈与額を集計

基礎控除110万円との比較

暦年課税又は相続時精算課税の選択

贈与税の税額計算・申告書の作成

贈与税申告書の提出

贈与税の納付

贈与税とは

贈与税は、個人から財産を無償で「もらった」ときに発生する税金です。贈与者(財産をあげる人)と受贈者(財産をもらう人)の合意に基づいて財産の移転があった場合に課税されます。現金や預貯金はもちろん、不動産、株式、車、貴金属、美術品など、経済的な価値を持つすべての財産が対象です。

贈与税の基礎控除

贈与税には、年間110万円の基礎控除という非課税枠が設けられています。これは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下であれば贈与税がかからず、申告も不要という制度です。複数の人から贈与を受けた場合でも、その合計額で判定するため注意が必要です。

暦年課税と相続時精算課税

贈与税には暦年課税と相続時精算課税の2つの制度があります。暦年課税は毎年110万円まで非課税で、超過分に課税されます。一方、相続時精算課税は累計2,500万円まで非課税で、それを超える部分に一律20%の税率が適用され、贈与された財産は贈与者が亡くなった際に相続財産に加算されます。

贈与税の計算方法

贈与税は、1年間に受けた贈与額から基礎控除額110万円を差し引いた金額に対して課税されます。計算式は「(贈与額-110万円)×税率-控除額」となります。例えば、200万円の贈与を受けた場合、(200万円-110万円)×10%=9万円が贈与税額となります。配偶者控除や各種の特例もあります。

贈与税の税率

贈与税の税率は、贈与者と受贈者の関係や課税価格によって異なります。直系尊属(父母や祖父母)から18歳以上の子や孫への贈与は、税率が優遇される「特例贈与財産」として10%から50%の軽減税率が適用されます。それ以外の贈与は、「一般贈与財産」として10%から55%の税率が適用されます。

贈与税の申告・納付

贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地を所轄する税務署に行います。1年間の贈与額が基礎控除110万円を超える場合や相続時精算課税を選択した場合には申告が必要です。納付は、申告期限までに金融機関、クレジットカード、コンビニ等で行えます。

贈与税の注意点

夫婦間での財産の移転

日常の生活費や教育費、医療費等の夫婦間での負担は、社会通念上相当な範囲であれば贈与税は課税されません。しかし、夫婦間であっても財産を移転すると贈与税の課税対象になる場合があります。例えば、基礎控除の110万円を超える預金、不動産、車の名義変更は贈与とされる可能性があります。

名義預金

名義預金とは、預金の名義は家族であっても、実際には資金を出した人が管理・支配している預金のことをいいます。税務調査では、名義人が預金の存在を知らない、通帳や印鑑を管理していない、自由に引き出せない場合は名義預金とされ、実質的な所有者の相続財産として課税されることがあります。

低額譲渡

低額譲渡とは、財産を時価より著しく低い価額で譲渡することをいいます。家族間で、不動産や株式を相場よりも安く売却した場合には、その時価と売却額との差額は贈与とみなされます。例えば、時価1,000万円の不動産を100万円で子に売却した場合には、差額の900万円に贈与税が課税されます。

みなし贈与

みなし贈与とは、一見すると贈与には見えない取引でも、実質的に財産の無償移転と判断される場合に、贈与とみなして課税される制度です。生命保険金の受取、債務免除などがあります。例えば、父が保険料を負担し、子が受益者となっている生命保険では、保険金受取時に子に贈与税が課税されます。

不動産贈与に関する税

不動産を贈与すると、贈与税以外にも複数の税金が発生します。受贈者には、登録免許税(固定資産税評価額の2%)と不動産取得税(同3%、住宅用地は軽減措置あり)が課税されます。また、贈与者にも、取得費より時価が上回る場合は譲渡所得税(所得税・住民税)が課税されることがあります。

自社株式の評価方法

自社株式の評価方法は、会社の規模に応じて「類似業種比準方式」「純資産価額方式」等が用いられます。同族株主が保有する株式は「原則的評価方式」、少数株主は「特例的評価方式(配当還元方式)」で評価されます。株価引下げ策として、役員退職金の支給、含み損のある資産の売却等が有効です。

法人からの贈与

法人から個人が金銭や財産の贈与を受けた場合は、贈与税ではなく、一時所得や給与所得として所得税の課税対象となります。所得税は、贈与税とは税率や控除の仕組みが異なるため、税負担が大きく変わる可能性があります。また、法人側では時価による譲渡として法人税が課税される場合があります。

贈与税の時効

贈与税には時効があり、原則として贈与税の申告期限(贈与翌年の3月15日)の翌日から6年間です。しかし、「偽りその他不正の行為」によって贈与税を免れようとした場合など、悪質性が高いと判断されれば、時効は7年に延長されます。時効が成立すれば税務署は贈与税を徴収する権利を失います。

贈与税の税務調査

贈与税の税務調査は、相続税の調査と同時に行われることが多く、主に相続開始前7年以内に行われた生前贈与について調べられます。税務署は、金融機関への反面調査で過去10年程度の預金取引履歴から現金移動や名義預金の存在を発見します。贈与契約書の有無、財産の管理状況なども調査されます。

贈与税の控除・非課税制度

相続時精算課税制度

 

相続時精算課税制度は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円まで贈与税を課税せず、相続時に贈与財産を相続財産に加算して相続税を計算する制度です。これを超える部分には一律20%の贈与税が課税されます。一度選択すると暦年課税へ戻れなくなります。

配偶者控除

 

贈与税の配偶者控除は、婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその取得資金を贈与した場合に適用できる特例です。最大2,000万円まで控除され、贈与税の基礎控除110万円を加えた合計2,110万円まで非課税となります。適用には、贈与税の申告が必要で、一生に一度のみ利用可能です。

住宅取得等資金の

贈与税非課税制度

住宅取得等資金の贈与税非課税制度は、直系尊属(父母・祖父母など)から住宅取得や増改築のための資金を贈与された場合、要件を満たせば最大1,000万円(一般住宅は500万円)まで贈与税が非課税となる制度です。基礎控除110万円との併用も可能で、贈与税の申告を期限内にする必要があります。

教育資金の

一括贈与税非課税制度

教育資金の一括贈与非課税制度は、30歳未満の子や孫に対し、教育資金として最大1,500万円(学校等以外への支払いは500万円)までの贈与が非課税となる制度です。専用口座の開設や支出ごとの領収書提出などの手続きが必要で、30歳時点で使い残しがあると贈与税が課税される場合があります。

結婚・子育て資金の一括贈与

 

結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度は、18歳以上50歳未満の子や孫に対し、結婚・子育て費用として最大1,000万円(結婚費用は300万円)の贈与が非課税となる制度です。専用口座が必要で、受贈者が50歳時点で残額があれば贈与税が課税され、贈与者が死亡した場合は残額が課税対象となります。

障害者非課税信託

 

特定障害者に対する贈与税の非課税制度とは、特別障害者には最大6,000万円、その他の特定障害者には最大3,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。一定の信託契約に基づき財産を信託し、生活費や医療費等に充てることが目的で、適用を受けるには「障害者非課税信託申告書」の提出が必要です。

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